前回の授業では、メモリのアクセス方式と読み書き特性の違いについて勉強したね。今回は揮発性と不揮発性の違いについて勉強しよう。
キ、キハツセイ…?
おさらい
「メモリ」とは
「メモリ」とは、コンピュータの記憶装置のことを指します。
記憶装置は、「データは保持できないが速度の速い主記憶装置」と「速度は遅いがデータを保持できる補助記憶装置」に大別されます。
これはもう覚えたよ!
メモリの種類
「揮発性メモリ」と「不揮発性メモリ」の違い
「揮発性メモリ」とは、外部からの電源供給がなくなるとデータが消えてしまうメモリのことです。
メモリがデータを記憶しておくためには、何らかの方法で「ON(1)」と「OFF(0)」の状態を保持しておく必要があります。揮発性メモリは、外部からの電源供給によってメモリ内部に電気を蓄えます。電源供給がなくなると自然放電してしまうため、データは消えてしまいます。
対する「不揮発性メモリ」とは、外部からの電源供給がなくてもデータが消えないメモリのことです。
不揮発性メモリは、供給された電気をもとにメモリ内部の物理構造を変化させたり、蓄えた電気を自然放電しない領域に閉じ込めたりすることで、メモリ内部に「ON(1)」と「OFF(0)」の状態を保持します。書き込みが完了していれば電源供給がなくても自然放電しないため、データは消えません。
データが蒸発して消えてしまうのが揮発性、データが蒸発して消えないのが不揮発性、ってことだね!
そのとおり。
それぞれの特徴
でも待って。それなら、すべてのメモリが不揮発性メモリのほうが良いんじゃないの?
理想はそうなんだけど、そうもいかない事情があるんだよ。
揮発性メモリと不揮発性メモリには、データ保持の特性以外にも一般的に以下のような特徴があります。
特徴 | 揮発性メモリ | 不揮発性メモリ |
---|---|---|
データの保持 | ✕ 電源を切ると消える | ○ 電源を切っても消えない |
動作速度 | ○ 速い | ✕ 遅い |
容量 | ✕ 少ない | ○ 多い |
製造コスト | ✕ 高い | ○ 安い |
上記のような特性があるため、コンピュータの記憶装置は「CPUが使うデータを一時的に記憶しておくための高速な主記憶装置=揮発性メモリ」と「データを永続的にたくさん記憶しておくための低速な補助記憶装置=不揮発性メモリ」という組み合わせで成り立っているというわけです。
将来的には、「揮発性メモリ並みに高速で、大容量かつ安価な不揮発性メモリ」が主記憶装置になる日が来るかもしれないよ。
そうなったら革命が起きそうだね!
まとめ
データ保持の特性に着目したメモリの種類は以下のとおり。
- 外部からの電源供給がなくなるとデータが消えてしまうメモリを「揮発性メモリ」という。高速かつ小容量。主に主記憶装置が該当する。
- 外部からの電源供給がなくてもデータが消えないメモリを「不揮発性メモリ」という。低速かつ大容量。主に補助記憶装置が該当する。
なんとなく分かったよ!
合格!