さて、今回は記憶装置の種類について解説するよ。数が多いから、分割して覚えていこう。
がんばるよ!
おさらい
記憶装置とは
記憶装置とは、入力機能によって取り込んだ情報を、コンピュータ内部で処理するために保存しておく装置です。
記憶装置は、CPUが一時的に使用する高速な「主記憶装置」と、データを永続的に保存しておくための「補助記憶装置」に大別されます。
記憶装置の種類
記憶装置のおおまかな分類は以下のとおりです。
はわわ…。こんなに覚えられないよ!
まずは種類の多い半導体メモリから覚えていこう。
半導体メモリ
半導体メモリとは、半導体集積回路から構成される記憶装置です。半導体とは、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」との中間の性質を備えた物質で、シリコンなどが該当します。状態によって電気を通したり通さなかったりする物質のため、電気を使ってデータ(ON「1」とOFF「0」の集まり)を処理することに適しています。この半導体を使って作られた電子部品が半導体集積回路で、それをメモリに活用したものが半導体メモリです。
半導体メモリは、電源の供給がなくなるとデータが消えてしまう揮発性の「RAM」と、電源の供給がなくてもデータが消えない不揮発性の「ROM」に大別されます。
ここでの「RAM」と「ROM」は、本来の用語の意味とは離れて単に揮発性か不揮発性かの違いを指すイメージだよ。
「DRAM」と「SRAM」の違い
揮発性の半導体メモリであるRAMは、その特性の違いによってさらに「DRAM」と「SRAM」に大別されます。
「DRAM」は「Dynamic Random Access Memory」の略で、日本語では「ディーラム」と読みます。DRAMはシンプルな構造のメモリで、コンデンサーという部品に電荷(電気)を溜めることでデータを記憶します。通電中であっても時間経過とともに電荷が放電してしまうため、定期的にデータの書き直し(リフレッシュ)が必要です。
「SRAM」は「Static Random Access Memory」の略で、日本語では「エスラム」と読みます。SRAMは複雑な構造のメモリで、フリップフロップ回路という電子回路で0か1の状態を保持することでデータを記録します。通電中であれば状態は変わらないため、DRAMのようなリフレッシュ動作は不要です。
動的にデータを書き続けて保持するのがDRAM、静的にデータを保持できるのがSRAM、というイメージだよ。
DRAMもSRAMも同じ揮発性メモリですが、リフレッシュ動作が不要なSRAMのほうが動作が高速です。そのため、キャッシュメモリにはSRAMが使われます。ただしSRAMは回路が複雑で製造コストも高いため、メインメモリにはDRAMが使われることがほとんどです。
種類 | 特徴 | 主な記憶媒体 |
---|---|---|
DRAM | コンデンサーを使ってデータを読み書きする。リフレッシュ動作が必要。 | メインメモリ |
SRAM | フリップフロップ回路を使ってデータを読み書きする。リフレッシュ動作が不要。 | キャッシュメモリ |
「マスクROM」と「PROM」の違い
不揮発性の半導体メモリであるROMは、その特性の違いによってさらに「マスクROM」と「PROM」に大別されます。
「マスクROM」は「Masked Read Only Memory」の略で、日本語では「マスクロム」と読みます。マスクROMは、製造時にデータを書き込むと利用者による書き換えができないメモリです。本来の「ROM」(読み取り専用メモリ)はこちらを指します。
「PROM」は「Programmable Read Only Memory」の略で、日本語では「ピーロム」と読みます。PROMは、マスクROMを改良して利用者による書き込みができるようにしたメモリです。読み取りと書き込みで別の仕組みを使うことで、利用者による書き込み・消去を実現しています。書き込みの方式によってさらに細分化されますが、その一種が「フラッシュメモリ」です。
製造時にデータが固定されているのがマスクROM、製造時は白紙で利用者がデータを書いたり消したりできるのがPROM、というイメージだよ。
種類 | 特徴 | 主な記憶媒体 |
---|---|---|
マスクROM | 製造時にデータが書き込まれ、利用者は書き込みができない。 | 家庭用ゲーム機のROMカートリッジ |
PROM | 製造時にはデータが書き込まれておらず、利用者によるデータの書き込みや消去ができる。 | フラッシュメモリ(SSD、USBメモリ、SDカード) |
まとめ
記憶装置の種類は以下のとおり。
- 記憶装置は、大きく「半導体メモリ」「光ディスク」「磁気ディスク」「磁気テープ」に分類される。
- 半導体メモリとは、半導体を使った電子部品を活用したメモリである。
- 半導体メモリは、揮発性の「RAM」と不揮発性の「ROM」に分類される。
- 「RAM」は、リフレッシュ動作が必要な「DRAM」と、リフレッシュ動作が不要な「SRAM」に分類される。DRAMはメインメモリに、SRAMはキャッシュメモリに利用される。
- 「ROM」は、利用者が書き込めない「マスクROM」と、利用者が書き込み・消去できる「PROM」に分類される。PROMの一種に「フラッシュメモリ」がある。
なんとなく分かったよ!
合格!次は半導体メモリ以外の記憶装置を勉強しよう。